賃貸経営と売却どちらが得?判断基準を解説

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あなたに向いているのは?
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賃貸経営か売却かで悩むオーナーからよく寄せられる相談

「賃貸に出し続けるべきか、今のうちに売るべきか、ずっと答えが出ない」

「正解」は物件の状況・ローン残高・税務状況・将来の市況見通しによって異なります。まずは「今売った場合の手取り額」と「賃貸を続けた場合の10年間キャッシュフロー」を比較するシミュレーションを作ることが判断の第一歩です。

「不動産価格が上がっているうちに売った方が良いと思うが、売ったら後悔しそうで怖い」

不動産市況のピークは事前にはわかりません。重要なのは「自分が必要な金額をいつまでに得たいか」という個人のライフプランです。市場のタイミングより自分の資金計画を優先して判断する方が、後悔しにくいと言われています。

「ローンが残っているが売却を考えている。残債がある状態でも売れる?」

売却価格がローン残高を上回れば「アンダーローン」として通常通り売却できます。残高を下回る「オーバーローン」の場合も、金融機関との交渉(任意売却)で解決できるケースがあるため、まず不動産会社に現状を相談しましょう。

※ 上記はオーナーから寄せられる典型的な相談をもとに編集部が再構成したものです

はじめに

「住まなくなった家を売るべきか、賃貸に出すべきか」——転勤・相続・住み替えなどをきっかけに、不動産の活用方法を迷うオーナーは多くいます。

売却にも賃貸にも、それぞれメリットとデメリットがあり、「絶対にこちらが良い」という正解はありません。物件の立地・築年数・ローンの有無・将来のライフプランなど、複数の要素を組み合わせて判断することが重要です。

この記事では、売却と賃貸経営をメリット・デメリット・費用・向いているケースで徹底比較し、あなたの状況に合った判断ができるよう整理します。

売却のメリット・デメリット

売却のメリット

まとまった現金が手に入る

不動産を売却すれば、まとまった現金が一度に入ってきます。得られたお金は、ローンの返済資金・住み替え資金・生活資金・投資資金など、さまざまな目的に活用できます。住み替えや学費、事業資金などまとまった資金が必要な場合、売却は最も早い現金化の手段です。

維持費・管理の手間がなくなる

不動産を所有している限り、固定資産税・都市計画税・修繕費・管理費などのランニングコストがかかり続けます。売却すればこれらすべてから解放されます。

資産価値が高いうちに現金化できる

一般的に中古不動産は築年数が浅いうちの方が高く売れます。賃貸に出せば、貸している間も築年数が経過するため、将来、価格が下落するリスクが生まれます。今すぐ売ることで資産価値が比較的高い間に現金化できる点は大きなメリットです。

居住用不動産なら税制優遇が受けられる

自ら居住していた住宅を売却した場合、要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「3,000万円特別控除」が利用できます。相続した空き家の売却にも一定条件のもとで適用されます(詳細は税理士にご確認ください)。

売却のデメリット

資産を手放すことになる

売却すれば所有権が移転し、将来的にその物件に住むことも活用することもできなくなります。不動産は価値が変動する資産のため、将来的に価値が上がる可能性を手放すことにもなります。

売却費用がかかる

売却に伴い、仲介手数料(売却額の約3%+6万円+消費税)・印紙税・登記費用・譲渡所得税などが発生します。一般的に売却金額の5〜7%程度の費用がかかります。

希望通りの価格・タイミングで売れないリスクがある

立地や物件の状態によっては、希望の売却価格がつかなかったり、売却までに時間がかかったりする場合があります。

賃貸経営のメリット・デメリット

賃貸経営のメリット

毎月安定した家賃収入が得られる

入居者がいれば毎月家賃収入を得られます。長く住んでもらえれば安定した不労所得として老後の資金にもなります。

資産を保有し続けられる

売却と違い、賃貸に出しても不動産の所有権は手元に残ります。将来的に自分や家族が住む選択肢を残しながら収益化できます。

建物の劣化を防げる

人が住まない家は老朽化が急速に進みます。賃貸に出すことで入居者が日常的に管理し、建物の劣化を一定程度抑えられます。

固定資産税の住宅用地特例が継続される

賃貸住宅の敷地には住宅用地の特例(固定資産税が最大1/6に軽減)が適用されます。売却して更地にすると特例が外れ、税負担が大幅に増加します。

賃貸経営のデメリット

空室リスクがある

入居者がいない期間は家賃収入がゼロになります。特に戸建て賃貸は住戸数が少ないため、空室の影響が大きくなります。

管理の手間・費用がかかり続ける

入居者対応・修繕費・管理委託費などのランニングコストが発生し続けます。管理会社に委託する場合は家賃の3〜10%程度の手数料が毎月かかります。

入居者トラブルのリスクがある

家賃滞納・騒音・退去時の原状回復費用トラブルなど、賃貸経営にはさまざまなリスクが伴います。

賃貸中は売却しにくくなる

入居者がいる状態で売却するとオーナーチェンジ物件として扱われ、買い手が限られます。

売却 vs 賃貸経営 比較表

売却vs賃貸経営 メリット比較
比較項目売却賃貸経営
収入の形一時的なまとまった現金毎月継続的な家賃収入
資産の保有手放す保有し続ける
管理の手間なし(売却後)あり(委託可能)
費用売却時に5〜7%程度管理費・修繕費が継続的に発生
空室リスクなしあり
将来の活用できないできる
築年数の影響早めの売却が有利入居者がいれば維持できる
税制優遇3,000万円特別控除(条件あり)住宅用地特例の継続

収益シミュレーションで比較する

具体的な数字で比較してみましょう。

前提条件

  • 物件:木造戸建て・土地100㎡・築15年
  • 売却想定価格:2,000万円(売却費用差し引き後:約1,860万円)
  • 想定家賃:月8万円(年間96万円)
  • 管理委託費・維持費:年間約15万円
  • 実質年間収入(賃貸):約81万円

試算結果

期間売却(手取り)賃貸(累計収入)
5年後1,860万円(変わらず)約405万円
10年後1,860万円(変わらず)約810万円
20年後1,860万円(変わらず)約1,620万円
23年後1,860万円(変わらず)約1,863万円(売却と同等)

この試算では、約23年間安定して賃貸を続けることで、売却と同等の総収入になります。ただし、空室期間・修繕費の増加・家賃の下落なども考慮すると、実際の損益分岐点はこれより後になる可能性があります。

ポイント:短中期で現金が必要なら売却が有利、長期で安定収入を得たいなら賃貸が有利になる傾向があります。

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EDITOR’S REPORT

築年数・立地・ローン残債別の「賃貸 vs 売却」シミュレーション結果

① 10年スパンで見ると賃貸が有利になるケースは限られる

編集部が試算したところ、築15年超・地方立地・ローン残債ありの物件では、修繕費・空室リスク・管理コストを考慮すると10年後の手取り総額が売却即現金化を下回るケースが多いという結果が出ました。「貸せば収入が入り続ける」という前提は、コストを加味すると崩れることがあります。

② 「迷ったら賃貸」が正しくない状況がある

金利上昇局面では不動産価格が下落する可能性があり、「今は賃貸にして価格が上がったら売る」という戦略は、局面によっては逆効果になります。市況の判断は難しいですが、不動産会社1社だけでなく複数社の意見を聞いて判断することをおすすめします。

③ 業者に急かされる場合は立ち止まる

「今が売り時です」「この価格で買い手がついています」という言葉で急かされるケースがありますが、本当に良い物件なら急がなくても売れます。1〜2週間かけて複数社に査定を依頼し、相場感を把握してから判断してください。

📌 編集部の結論

賃貸 vs 売却の判断は「感情」でなく「10年後のキャッシュフロー試算」で行うことをおすすめします。複数の不動産会社・税理士に相談し、自分の状況に合った出口戦略を設計してください。

売却が向いているケース

  • 将来的にその物件に住む予定が全くない
  • まとまった現金が今すぐ必要
  • 住宅ローンの残債が多く毎月の返済が重い
  • 築年数が古く(目安:30年超)、今後の修繕費が多額になる見込み
  • 地方・郊外など賃貸需要が低いエリアにある
  • ファミリー向けの広い間取りで賃貸需要が少ない
  • 管理の手間や入居者トラブルを避けたい

賃貸経営が向いているケース

  • 転勤など一時的に住めないが将来戻る可能性がある
  • 都心・駅近など賃貸需要が高いエリアにある
  • 築年数が浅く(目安:築15年以内)、設備が比較的新しい
  • 毎月の安定収入を老後の資金として活用したい
  • 資産を手放したくない・将来子どもに譲りたい
  • 空室リスクが気になるならサブリースも選択肢になる

判断に迷ったときの3つの視点

視点① 将来住む可能性があるか

転勤・海外赴任など一時的に住めない場合で将来戻る予定があるなら、賃貸(定期借家契約)がおすすめです。一方、将来的にその物件に戻る可能性がゼロなら、資産価値が高いうちに売却を検討しましょう。

視点② 物件の立地と賃貸需要

賃貸需要が高いエリア(都心・駅近・大学や企業の近く)であれば賃貸経営が有利です。一方、地方・郊外など賃貸需要が低いエリアでは、空室リスクが高く賃貸経営が難しくなります。売却の方がシンプルにまとまった収益を得られます。

視点③ 住宅ローンの状況

住宅ローンが残っている場合、原則として賃貸に出すことはできません(金融機関への相談が必要)。売却代金でローンを完済できるなら売却が合理的な選択になります。一方、ローンが完済済みなら賃貸に出しやすく、収益化しやすくなります。

賃貸経営でも空室が心配な方へ——サブリースという選択肢

「賃貸に出したいが空室が続いたら困る」という方には、サブリースという選択肢があります。サブリースは空室でも毎月一定の保証賃料が支払われるため、空室リスクをゼロにしながら賃貸経営を続けることができます。

築古物件・地方物件・遠方在住のオーナーにとっては、売却するよりサブリースで収益化する方が長期的に有利になるケースもあります。

よくある質問(FAQ)

Q. 売却と賃貸、どちらが税金面で得ですか?

居住用不動産の売却には3,000万円特別控除などの優遇措置があります。一方、賃貸に出すと管理費・修繕費・減価償却費などを経費として計上でき、所得税の節税につながります。どちらが有利かは物件の状況や所得によって異なるため、税理士にご相談ください。

Q. 一度賃貸に出すと、後から売却できなくなりますか?

賃貸中でも売却は可能ですが、入居者がいる状態では「オーナーチェンジ物件」として売り出すことになり、買い手が限られます。売却を視野に入れている場合は、定期借家契約を選ぶか、入居者が退去するタイミングで売却活動を始めましょう。

Q. 築古物件でも賃貸に出せますか?

築年数が古くても、立地や状態によっては賃貸に出すことができます。リフォームで競争力を高める方法や、サブリース会社に一括借り上げしてもらう方法(シェアハウスや社宅としての活用)もあります。まずは無料査定で可能性を確認することをおすすめします。

Q. 売却と賃貸を同時に進めることはできますか?

可能です。売却活動と賃貸活動の両方を開始して、どちらか早く条件の合う相手が見つかった方を選ぶという方法もあります。ただし、各種対応が増えるため、信頼できる不動産会社に相談しながら進めましょう。

まとめ

売却と賃貸経営のどちらが得かは、物件の立地・築年数・ローンの有無・将来のライフプランによって異なります。一概に「どちらが正解」とは言えません。

  • 今すぐ現金が必要・将来住む予定なし・築古・地方物件 → 売却が有利
  • 都心・駅近・将来戻る可能性あり・安定収入が欲しい → 賃貸が有利
  • 空室リスクが心配・管理が難しい → サブリースも選択肢
  • 迷ったら売却査定と賃料査定を両方取って比較するのが最善

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