
空き家の固定資産税に悩むオーナーからよく寄せられる相談
「親の家を相続したら固定資産税の通知が届いてびっくりした。住んでないのにこんなにかかるの?」
空き家の固定資産税は「住宅用地の特例(1/6軽減)」が適用されているため、更地より安くなっています。ただし「特定空き家」「管理不全空き家」に指定されると特例が外れ、最大6倍になるリスクがあります。
「特定空き家に指定されそう。どうすれば指定を回避できる?」
指定回避のポイントは「定期的な清掃・点検」「雑草の除去」「外壁の補修」など、管理状態の維持です。行政から勧告が来る前に対処することが重要で、空き家管理サービスや賃貸活用が現実的な解決策になります。
「固定資産税が払い続けられない。売却しかないのか?」
固定資産税の負担を解消する方法は売却だけではありません。賃貸に出す・サブリースに切り替えるだけで家賃収入が固定資産税をカバーできるケースも多いです。まずは賃貸査定を無料で取ることから始めましょう。
※ 上記はオーナーから寄せられる典型的な相談をもとに編集部が再構成したものです
はじめに
「空き家を持っているが、なかなか手が付けられない」——そういう方は多いのではないでしょうか。しかし、空き家を放置し続けると、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。
2015年の空家等対策特別措置法施行、さらに2023年の法改正により、適切に管理されていない空き家への税負担が強化されています。「何もしないことが一番安全」という時代は終わりました。
この記事では、空き家の固定資産税がいつ・なぜ6倍になるのか、放置した場合の実際のコストの試算、そして固定資産税を増やさないための対策をわかりやすく解説します。
空き家でも固定資産税は毎年かかる
まず前提として、空き家であっても固定資産税と都市計画税は毎年かかります。誰も住んでいない、使っていない家でも、所有している限り支払い続けなければなりません。
固定資産税は、日本国内に存在するすべての不動産が課税対象となる税金で、税率は課税標準額の1.4%が標準です。都市計画税は、都市計画区域内の土地と家屋に課税される税金で、税率は最大0.3%です。
住宅用地の特例とは?
空き家を放置しても、建物が建っている間は「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が大幅に軽減されています。住宅用地特例の条件は「住宅が建っていること」です。そのため、空き家もこの軽減措置の対象となっています。
具体的な軽減内容は以下の通りです。
| 区分 | 対象面積 | 固定資産税 | 都市計画税 |
|---|---|---|---|
| 小規模住宅用地 | 200㎡以下の部分 | 評価額×1/6×1.4% | 評価額×1/3×0.3% |
| 一般住宅用地 | 200㎡超の部分 | 評価額×1/3×1.4% | 評価額×2/3×0.3% |
つまり、200㎡以下の土地であれば、本来の固定資産税の6分の1しかかからない計算になります。
固定資産税が6倍になる仕組み
特定空き家・管理不全空き家に指定されると特例が外れる
通常、空き家の土地にかかる固定資産税は「住宅用地の特例」が適用され、大きく軽減されています。ただし空き家の状態が悪化し「特定空家」に認定されると、住宅用地の特例の適用対象外となり、支払う税額が最大6倍に増加します。2023年12月13日以降は、特定空家と認定されなくても、管理不全空家に指定されて自治体から勧告を受けた時点で、住宅用地の特例が適用されなくなります。
特定空き家・管理不全空き家とは?
特定空き家とは、以下のような状態にある空き家です。
- そのまま放置すれば倒壊等の危険がある
- 衛生上有害となるおそれがある
- 景観を著しく損なっている
- 周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切
管理不全空き家は2023年の法改正で新設された区分で、窓の一部が割れている・壁の一部が壊れている・雑草が生い茂っているなど、管理を放置し続けると特定空き家になる可能性がある住宅です。
6倍になるまでの3段階の流れ
いきなり6倍になるわけではありません。実際には以下の段階を経ます。
- 助言・指導:自治体から適正管理をするよう連絡が来る
- 勧告:改善が見られない場合に発令。この時点で住宅用地特例が外れる
- 命令・行政代執行:さらに放置すると50万円以下の過料、最終的には自治体が強制解体し費用を請求
放置コストの試算
実際にどれくらいの金額差が生じるのかを試算してみましょう。
試算条件
- 土地面積:150㎡(小規模住宅用地に該当)
- 固定資産税評価額(土地):1,000万円
- 固定資産税評価額(建物):300万円
通常の空き家(住宅用地の特例あり)
| 項目 | 計算式 | 年間税額 |
|---|---|---|
| 土地の固定資産税 | 1,000万円×1/6×1.4% | 約2.3万円 |
| 建物の固定資産税 | 300万円×1.4% | 約4.2万円 |
| 合計 | 約6.5万円 |
特定空き家に指定された場合(特例なし)
| 項目 | 計算式 | 年間税額 |
|---|---|---|
| 土地の固定資産税 | 1,000万円×1.4% | 約14万円 |
| 建物の固定資産税 | 300万円×1.4% | 約4.2万円 |
| 合計 | 約18.2万円 |
差額:約11.7万円/年。10年間放置すれば、税金だけで100万円以上の差が生じる計算になります。
EDITOR’S REPORT
特定空き家指定の実態と、固定資産税が実際に上がった事例を調査
① 「特定空き家」指定は突然ではなく段階的なプロセスがある
自治体への問い合わせで確認したところ、特定空き家の指定前には「助言→指導→勧告→命令」という段階的プロセスがあることがわかりました。勧告を受けた時点で住宅用地特例が外れて固定資産税が上がるため、「命令が来るまで大丈夫」という認識は危険です。
② 2023年改正で「管理不全空き家」が新設された
2023年の法改正で、倒壊リスクはないが管理が不十分な空き家も「管理不全空き家」として指導対象になる新カテゴリが追加されました。草木の繁茂・ゴミ放置・外壁の剥がれなどが対象になりうるため、見た目の管理だけでも継続的に行う必要があります。
③ 最低限の管理で指定リスクを大幅に下げられる
自治体の担当者によれば、年に数回の草刈り・清掃と、郵便受けの整理だけでも指導対象になるリスクは大幅に減るとのことです。遠方の場合は空き家管理サービスの活用が現実的な選択肢になります。
📌 編集部の結論
空き家を放置するコストは固定資産税だけではありません。指定を受ける前に適切な管理体制を整えるか、早期に売却・活用の判断を下すことが、長期的な損失を防ぐ最善策です。
固定資産税以外にもかかる放置コスト
固定資産税だけではありません。空き家を放置するとさまざまなコストが積み上がります。
維持管理費
空き家を適切に管理するための費用がかかります。草刈り・清掃・換気・点検などを定期的に行う必要があり、管理サービスを利用する場合は月1〜3万円程度かかることもあります。
修繕費
放置期間が長くなるほど建物の劣化は加速します。屋根・外壁・水回りなどの修繕が必要になり、放置すればするほど修繕費用が膨らみます。
近隣トラブルによる損害賠償リスク
管理を怠った空き家から外壁が落下して通行人が怪我をした場合、所有者が損害賠償責任を負うことがあります。このリスクは金額を予測することができない点で特に危険です。
2023年の法改正で何が変わったか
2023年の法改正により、固定資産税が6倍になる空き家の対象が増えることが決まりました。今までは「特定空き家」に指定された空き家が固定資産税増額の対象でしたが、今後は「管理不全空き家」に指定された場合でも固定資産税が6倍に上がります。
つまり、以前は「倒壊の危険があるほど荒廃した空き家」だけが対象でしたが、現在は「管理が行き届いていない空き家」も対象になりました。より早い段階で税負担が増加するリスクがあります。
固定資産税を増やさないための対策

対策① 定期的に管理・清掃を行う
最も基本的な対策は、空き家を適切に管理することです。行政から助言・指導を受けた段階で対応すれば、特定空き家への指定を避けることができます。
対策② 賃貸に出す
空き家を賃貸に出せば、入居者が住むことで建物が適切に管理され、住宅用地の特例も継続適用されます。さらに家賃収入が得られるため、固定資産税の支払いを賄うことができます。
対策③ サブリースに出す
通常の賃貸に出すことが難しい場合でも、サブリース会社に一括で借り上げてもらう方法があります。サブリースであれば空室でも収入が保証され、管理業務もすべて任せられます。築古物件や遠方の物件でも対応できるケースがあります。
対策④ 売却する
空き家の維持が難しいと判断した場合は、売却することで固定資産税・維持費・損害賠償リスクをすべて解消できます。なお、相続した空き家を売却した場合、条件を満たせば「相続空き家の3,000万円特別控除」が適用できる場合があります。
よくある質問(FAQ)
Q. 空き家にしているだけで固定資産税は6倍になりますか?
いいえ。空き家であっても建物が建っている限り、住宅用地の特例は原則として適用されます。6倍になるのは、「特定空き家」または「管理不全空き家」に指定されて自治体から勧告を受けた場合です。
Q. 固定資産税が6倍になるのはいつからですか?
固定資産税・都市計画税は毎年1月1日が基準日となっています。特定空家に指定されたとしても、年内にその状況を改善すれば住宅用地の特例を引き続き受けることができます。対処が遅れて特定空家の解除が1月2日以降になってしまった場合、その年の固定資産税と都市計画税には住宅用地の特例は適用されないので注意が必要です。
Q. 空き家を解体すると固定資産税はどうなりますか?
建物を解体して更地にすると住宅用地の特例が適用されなくなり、固定資産税が最大6倍になります。売却目的での解体は有効ですが、そのまま所有し続けることを前提に解体するのは税負担が増えるだけになります。
Q. 空き家の固定資産税の支払いを止めることはできますか?
不動産を所有している限り、固定資産税の支払い義務はなくなりません。支払いを止めると滞納となり、延滞税が発生するほか、最終的には差押えのリスクもあります。
まとめ
空き家を放置することは、固定資産税の増加・維持管理費・近隣トラブルリスクなど、さまざまなコストを生み出します。
- 空き家でも毎年固定資産税と都市計画税がかかる
- 建物が建っている間は住宅用地の特例(最大1/6)が適用される
- 特定空き家・管理不全空き家に指定され勧告を受けると特例が外れ最大6倍になる
- 2023年の法改正で対象が拡大し、より早い段階でリスクが生じるようになった
- 賃貸・サブリース・売却で固定資産税の増加を防ぎながら資産を活かせる
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